郵便局の歴史とその役割 | ゆうびん局長会 - 地域と共に生きる郵便局の発信地[全国郵便局長会]
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郵便局の歴史とその役割

郵便、貯金、保険…郵便局が地域で担う役割をご紹介します。

“郵政の父” 前島密まえじまひそか

1871年(明治4年)に東京~大阪間で官営の郵便事業が開始されました。これは前島密氏(1835年~1919年)の発議によるものでした。前島氏は、大蔵省や内務省の官僚としての仕事をしながら、1870年(明治3年)から11年間もの長い間郵政の長として、熱心に郵政事業の育成に邁進し、その基礎を築きました。そのため「郵政の父」と称えられています。

前島密翁墓前祭が開催されました(16/05/09)

「郵便役所」と「郵便取扱所」の設置

郵政サービスの窓口機関である郵便局については、1871年の創業当初は三府(東京・京都・大阪)に政府直轄の「郵便役所」が設置され、東海道の各宿駅には民間の協力で「郵便取扱所」が置かれました。その後、明治政府は全国の主要都市に官設の「郵便役所」を設置しましたが、財政が極めて不足していた当時の明治政府にとって、全国に「郵便役所」を設けることは難しかったのです。

郵便制度の普及を支えた「郵便取扱所」

そこで政府は、地元の名士(かつての庄屋や名主など)から自分たちの土地と建物の一部を無償で提供してもらい、その代わりに彼らを「郵便取扱役」に任命して準官吏の身分を与え、「公務」である郵便業務を請け負わせるという施策をとったのです。この結果、地域の名士の屋敷を拠点とする「郵便取扱所」が短期間のうちに全国津々浦々にまで広がり、わが国の郵便制度は急速な普及を遂げました。

「郵便取扱所」から「郵便局」へ

創業当初に設置された「郵便役所」は1873年に「一等郵便役所」に改称され、また「郵便取扱所」についても1874年に「無等郵便役所」となりました。その翌年には、すべての「郵便役所」は「郵便局」へと改称され、一等から五等に区分されたのです。

“普通” “特定” “簡易”郵便局の誕生

その後、1886年に「郵便局」は三等級制(一・二等郵便局は国の直営、三等郵便局は地域の名士等から局舎の無償提供を受けた局)となり、1941年には等級制が廃止され、旧「一・二等郵便局」が「普通郵便局」へ、旧「三等郵便局」が「特定郵便局」へと改称・再編されました。その後、1949年には「簡易郵便局」(郵便局で取り扱う事務を地方公共団体や組合、個人などに委託して開設している郵便局)という制度が創設され、3種類の郵便局において、長らく郵政三事業(郵便・貯金・保険)の業務運営が行われてきたのです。

くらしを支える郵便局

今日の郵便局は、地域にとってかけがえのない情報と物流・金融の拠点として発展してきており、郵便局の窓口では、主に「郵便(ゆうびん)」「貯金(ちょきん)」「保険(ほけん)」の3つの業務(仕事)を行っています。「郵便」窓口では、主に切手やはがきの販売、手紙や小包の郵送などを、「貯金」窓口では、お金の預け入れや引き出し、送金などを取り扱っています。さらに、「保険」窓口では、終身保険やがん保険、学資保険といった様々な生命保険商品を揃えています。

郵便局が提供する商品やサービスは、生活になくてはならない大事なものばかり。そうした商品やサービスをとおして、みなさんのくらしを支えるのが郵便局の仕事であり、役割です。