郵便局の地方創生

地域に根ざす郵便局が行なっている様々なサービスや取り組みをご紹介します。

地域と共に青少年の健全育成

沖縄地方会
沖縄県 先島地区会
平良西里郵便局 与那覇寛信局長


私の住む宮古島は沖縄本島より南西へ約350km、人口は5万人程の小さな島です。平成27年1月31日に料金を徴収しない橋としては日本一長い「伊良部大橋」が開通し、観光面でも脚光を浴びています。

私が少年サッカーの指導に関わったのは平成4年からで、私自身も中学校時代から始めたサッカーの魅力を、どのように子どもたちに伝えていこうかと奮闘する日々でした。その頃サッカー人気は急上昇していて、120名程の小学生を一人で指導するというようなこともありました。また、Jリーグ発足の3ケ月前に郵便局主催の地域貢献活動の一環として、郵便局主催で「ポストカップサッカー大会」を開催でき、大いに盛り上がったものです。

しかし、順調なことばかりではなく紆余曲折もありました。郵便局長に就任したため時間的な制約もあり、その中で新任局長として職責を全うしたいという思いと、全身全霊でサッカー指導に傾注したいという思いのバランスがとれず、一時指導を中断したこともありました。その中で局長としての地域貢献活動として「地域に何か恩返しができないか」と自問し、「やはりサッカーを通して青少年の健全育成を図っていくしかない」との結論を見出し、現在は教え子二名等と曜日を分け、無理のない指導を行っています。

指導者としての喜びは、子どもたちの成長が見られることです。試合中、一生懸命に練習した成果が出て、キラキラ光った姿が見られることは本当に嬉しいものです。そして、卒業し大人になった教え子たちが「監督!結婚式に来てください」と招待された時は、指導者冥利につきる思いです。もう一つの喜びは、子どもたちの父母との繋がりです。信頼関係が構築できた父母たちは、いろいろな場面で自分の良き理解者・応援者となってくれます。

20年以上指導を続けている中で、宮古高校は2度の全国大会出場、また、Jリーガーも2名輩出することができました。「人口5万人程の島の中学・高校でも、頑張ればプロになることができるんだ」という自信は、サッカー関係者だけでなく島民全体の喜びにもなりました。また、卒業生たちは社会人として教員・県職員・市職員・会社役員・自営業・郵政グループの社員等、さまざまな分野で活躍しています。サッカーを通じて青少年の健全育成を行い、地域の中核を担う人材が多く輩出できるよう、これからも活動していきたいと考えます。

小学生のサッカー指導を通じて、地元の親や子どもたちと信頼関係を構築