郵便局の地方創生

地域に根ざす郵便局が行なっている様々なサービスや取り組みをご紹介します。

官民一体のまちづくり
住民から企業、伝統も巻き込んだ地域活性

茨城県 下館駅前郵便局 白井佐智子局長


茨城県北西部に位置する筑西市下館。JR水戸線、真岡鐵道、関東鉄道が乗り入れる下館駅からほど近いところに、白井佐智子さんが局長を務める下館駅前郵便局がある。

白井局長は2つの地域貢献活動を通じて、「官民一体のまちづくり」に取り組んでいる。その1つが地域活性化プロジェクトの「ロケ誘致事業」だ。

人口減少の抑制と交流人口増加を目的に、「官民一体の最強の街づくり集団をつくりたい」という市からの委託を受け、白井局長はプロジェクトを運営する団体の代表となって奔走。2011年からの3年間で36本もの作品の誘致を成功させ、ホテル業界、飲食業界、リース業界を中心に約3000万円の経済効果をもたらした。

さらに、市民にもエキストラや裏方として作品づくりに参加してもらうことで、地元住民や企業を巻き込んだ地域活性化を実現。「活動を通じて様々な人との信頼関係を築き、次の作品の誘致へとつなげることが使命です」(白井局長)と語るように、マスコミと行政・企業・市民をつなぎ、全国に筑西市をアピールする仕組みを生み出した。

一方で個人としても、青少年の育成と駅前通りの活性化を目的とした事業の運営に携わっている。その1つ、子供を主役とした踊りと音楽の祭典「ちくせい舞祭」は、2008年から続く夏の恒例行事として地元で親しまれている。

2013年からは「ちくせい舞祭」に加え、ロケ誘致事業による「映画無料上映」や、90年の歴史をもつ地元の伝統行事「灯篭流し」と「輪くぐり」を同日に開催し、「筑西あんどん舞祭」として規模を拡大させた。これも、伝統行事の来客数アップを課題としていた団体からの相談を受け、他団体と協力しあい白井局長が実現したものだ。「ちくせい舞祭」「映画無料上映」「灯篭流し」「輪くぐり」の4会場の経路は、市内の幼稚園、小中学校の児童・生徒が製作した1500個のあんどんで繋ぎ、訪れる人が一度に様々なイベントを楽しめるよう工夫も凝らした。

「ロケ誘致事業」や「筑西あんどん舞祭」の成功により、白井局長のもとには、まちづくりに関する講演の依頼も寄せられる。

「こうしたまちづくは自分にとってライフワーク。自分を育ててくれた地域への奉仕、恩返しであり、“信頼”と“人脈”が私の最高の財産です」(白井局長)
地元住民に支えられ、白井局長は今後も官民一体となったまちづくりを進めていく。