防災士について

全国の郵便局長が取り組んでいる防災士の活動についてぜひご覧ください。

常に危機管理を意識して

大阪府 堺浜寺石津郵便局 桐山陽子局長


私は平成19年10月に防災士の資格を取得しました。

資格取得のために受けた研修内容は、「阪神・淡路大震災」などの大災害におけるメディアには出せない、強烈な被災状況を映像で視聴しつつ、地震のメカニズムや防災の心掛け、災害発生時の対応や防災グッズの使用法などを学ぶものでした。当時の研修内容は12年経った今でも、鮮明に思い出すことができるほど大変有意義な内容でした。

南海トラフ巨大地震が非常に高い確率で発生すると言われている中、当局周辺は甚大な被害を受けると予想されているため、平成25年、浜寺地域の郵便局4局は少しでも地域のためになりたいとの考えで「堺市津波率先避難等協力事業所」として活動することにしました。

浜寺地域の四郵便局の皆で、浜寺4校区津波避難訓練に参加

まずは1,500人規模の「四校区合同 大規模津波避難訓練」を初めて実施することになり、地元でワークショップを開催しました。その中で津波ハザードマップの作成、避難場所までの誘導時間の測定、避難誘導場所への案内板の設置、防災資器材(拡声器・ビブス等)の保管管理、災害時の要援護者や幼稚園等との連携など、多くの課題に取り組んできました。特に私は地震発生時には「堺市津波率先避難事業所」として「津波だ逃げろ!」と拡声器で叫びながら指定の避難場所まで地域の方々を誘導するという重要な役割を担っています。

平成25年当初は、協力体制が郵便局4局と1社だけであったため準備がとても大変でしたが、メディアにも取り上げていただき、地域の方々には防災の取組みの起爆剤になった訓練でした。4年目には協賛事業所が20社を超え、自治会が主催側にもなり、参加者も3,000人超と、地域の防災意識はかなり高まっています。

今年2月24日の訓練の際には、わが区に隣接する自治体や私立学校もこの取り組みに賛同され、訓練避難者の受け入れ訓練場所として学校・公園を提供していただいたため、隣接する自治体の住民の方々も参加するようになりました。さらには京都大学が開発した防災のための「逃げトレ」アプリの実証実験もあわせて行なわれるなど、防災意識の高まりとともに一大イベントとして、住民の方々の注目度も増しています。

防災の基本は「自助・共助・公助」と言われています。防災活動を通して消防署や警察、自治会と連携することができ、地域との繋がりも深まってきました。「自助・共助」は、日頃の訓練や会合に積極的に参画し、多くの方々と顔を合わせることが重要だと実感しています。

今後は、一人暮らしの高齢者の方々や身体が不自由な方々の安否確認が重要になってきます。郵便局のみまもりサービスを活用し、災害発生時にはそういった方々の避難誘導が行えるよう、常に危機管理意識を持ち「郵便局長と防災士」という資格が地域に必要とされるよう、さらに「防災力」を高めて地域に貢献していきたいと思います。

郵便局長主催の災害時を想定しての大声コンテスト開催
表彰式風景

子どもたちに興味を持ってもらえると、
保護者の注目度も大きくなる

隣接する私立学校も避難場所として参加
体育館ではコンテストの表彰式に「ぽすくまも」参加

「ぽすくま」も毎年2会場で参加し知名度アップ