防災士について

全国の郵便局長が取り組んでいる防災士の活動についてぜひご覧ください。

防災士の資格を地域で生かす
自主防災活動の活性化に貢献

茨城県 瓦会郵便局 谷島洋司局長


茨城県のほぼ中央に位置する石岡市は、「歴史と里山の文化に出会えるまち」として、多くの名所旧跡とゆたかな自然が融合した市である。その石岡市の北西部にある瓦会郵便局で、地域の防災活動に尽力しているのが谷島洋司局長だ。

石岡市では東日本大震災を機に、地域における防災意識の重要性を見直し、2013年度より防災研修会を実施。地域の自主防災組織づくりと、育成に向けた取り組みをスタートさせた。翌2014年度の研修会では、防災に関する講和と災害発生時の避難所の運営をシミュレーションする「避難所運営ゲーム(通称HUG)」を通じ、防災意識のさらなる向上を図った。

参加者は、自主防災組織の代表を務める地域の区長などが中心だが、専門的知識を持っている人は少ない。そこで、谷島局長をはじめとする防災士の資格を有した郵便局長がアドバイザーとして加わり、郵便局が所在する各区長とともに具体的な避難場所や避難イメージを想定・共有しながらケーススタディを行った。

谷島局長は、2006年に防災士の認定を受けていたが、その後、防災士として具体的に行動、実践する機会がなかった。しかし、この防災研修会に参加協力し、「自主防災組織の活動の活性化に寄与し、防災面から地域に貢献できると実感した」と話す。

瓦会郵便局では常時、「防災倉庫の案内」や「防災ハザードマップ」「防災地図」を備え付け、安全な避難に関する案内や掲示を行っている。また、災害時緊急電話の指定や、石岡市の防災無線受信機の設置、情報収集用のラジオの常備など、防災拠点としての役目も担っている。

「災害発生時には“自助・共助・公助”が大切であり、まずは自らの命を守り、そして地域や近隣の人が互いに助け合うことが初期防災につながります。郵便局を安心・安全な場として機能させ、地元住民を避難場所へ安全に誘導することが局長としての自らの務めです」(谷島局長)

日頃の心掛けを大切に、谷島局長はこれからも地域とともに防災意識の向上に努めていく。