ZENTOKU 2021年秋号
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書館を併設し、板橋区平和公園と一体になった国際交流の場となっています。――建築に造詣が深くていらっしゃいますね。そんな坂本区長のリラックス法や座右の銘としていることを教えてください。 まち歩きが好きですね。地方に行くと市場めぐりをしたり、建築物を見て回ったり、どこにいっても発見があります。たまに書道もやります。集中力が研ぎ澄まされるというか、一発勝負なところが気に入っています。 モットー、座右の銘としては、区の職員にもホスピタリティ、もてなしの心を大事に区民サービスの対応を心がけようと伝えています。 荘子が説く「百舎重繭」、これが座右の銘です。手や足にタコやマメが何度できても、乗り越えていくという教え。今の新型コロナ禍がそうですが、さまざまな困難を乗り越えて区長の職責をまっとうしたいと思っています。と、本堂の横に「タラヨウ」の木が並んでいて、住職に聞くと「ハガキの木」だと。タラヨウの葉に文をしたためて切手を貼れば、今でも送付できるはずです。あの葉がなければ葉書という言葉もなかった。機能だけではない言葉の意味、伝えることの大事さを感じて、感慨深かったですね。――郵便局への要望というと、どんなことが挙げられますか? 防災施策の展開で、より一層の相互連携を図っていきたいですね。板橋・板橋北・板橋西の3郵便局と「災害時における相互協力に関する覚書」を交わしていますが、防災の施策はDX(Digital Transformation)の観点からも日々進化しています。こうした観点からも相互連携を強化していきたいと考えています。――板橋区は比較的、地盤が安定し、地震が少ない土地柄では? 確かにそう言われていますが、武蔵野台地と荒川沿いのまちの間には東西を分ける崖地・坂道もあり、小さい河川の氾濫にも用心しないといけない。河川の氾濫では台地まで上がれば大丈夫といっても、皆、自力で上がれるとは限りません。どんな地域でも同じですが、それぞれに地域の特性に応じた対策が求められます。 そこで郵便局には、地域の特性を踏まえた見守りや台風後の道路の破損、倒木なども含め、地域情報をより細かくお寄せいただきたいですね。   板橋4大イベントを軸に   発展するまちづくり――板橋区の必見ポイントをお聞かせください。 板橋4大イベントです。夏は「いたばし花火大会」、秋は10月の「いたばし区民まつり」と11月の「板橋農業まつり」、春は3月に行われる「板橋Cityマラソン」。板橋の産業・自然を生かした歴史のあるイベントで、東京・関東一円、全国からもお越しいただいています。 施設としては、東京23区初の区立美術館として開館した板橋区立美術館。50年近い歴史があり、2019年にリニューアル・オープンして、狩野派の近世絵画からボローニャ市の絵本など幅広く展示しています。今年3月に第30回BELCA賞*2(ベストリフォーム部門)を受賞しました。 この3月に移転改築した中央図書館も子ども図四季を彩る板橋区のイベント(上:板橋Cityマラソン、左:いたばし区民まつり)。2020年、2021年はコロナウィルス感染拡大防止のため、中止となった。DXの観点からも防災施策でより一層の相互連携を。*2長期にわたり適切な維持や保全を実施した建築物や、優れた改修を施した建築物に与えられる賞。わが国におけるビルのロングライフ化に寄与することを目的とする表彰制度で、公益社団法人ロングライフビル推進協会が1991年(平成3)に創設した。BELCAは協会の英語名Building and Equipment Long-life Cycle Associationの略。07

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