ZENTOKU 2021年秋号
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SDGsに貢献郵便配達車を2030年代半ばまでにEVにシフト 一つは、郵便配達車のEV車(Electric Vehicle)へのシフトである。2025年(令和7)年までに配達車の3分の1、2030年代半ばまでにほぼ全車両をEV車に切り換える予定。   地球環境保持のため、郵政省の時代(1991(平成3)年)から電気自動車やメタノール自動車の試行配備が試みられてきた。現在四輪車約3万台、二輪車約8万台のうち、EVはそれぞれ1500台と2200台。2021(令和3)年3月には電動三輪バイクも導入されている。ラストワンマイルの解決に向け配送ロボットを活用 もう一つが、「配送ロボット」の活用である。ロボットを使い、ビル内で郵便物を集配する。 物流分野では、お客さまにモノ・サービスを届ける最後の接点における物流コスト等をどう解消するかという「ラストワンマイル」の問題が大きな課題となっている。郵政創業150年を迎えた今日、郵便輸送が取り組んでいるイノベーションを二つ紹介する。その課題解決に配送ロボットが貢献し得るものか、現在、試行・実証実験が行われている。 2020(令和2)年3月、日本郵便本社オフィス(東京都)において、配送ロボットがエレベーターと連動してフロア間を移動する社内便の配送試行が行われた。2021(令和3)年2月にはオートロックシステム付きマンション(千葉県)で、複数台の配送ロボットがエレベーターおよび運行管理システムと連携して荷物を配送する実証実験も始まっている。郵便にもたらされた技術革新配送ロボット屋外用(写真上)と屋内用。「非対話・非接触」による配送ニーズにも応えると期待されている。写真提供:日本郵便株式会社05郵便輸送イノベーションの最前線次世代モビリティを活用し、一軒一軒のお客さまの元へ 郵便を含め物流は、文字どおり「モノを運ぶ」というアナログなビジネスだが、その工程は高度にICT化された、まさに先端技術の結晶である。 郵便輸送は常に新しい技術を取り入れる努力をしており、次世代モビリティを活用した様々な試みが行われている。 ドローンを活用した配送やロボットを活用したラストワンマイル配送の実証実験は、今後の実用化に向けて検証が重ねられている。* * * 郵政創業から150年、郵送手段は時代の変化に合わせ、その姿を変えてきた。 しかし、創業以来の全国津々浦々を網羅する郵便ネットワークを礎に、一軒一軒のお客さまの元へ郵便物を届ける姿勢は不変である。EV車(Electric Vehicle)

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