ZENTOKU 2021年夏号
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926︱0382石川県 南みなみ大おお呑のみ郵便局長池いけ岡おか 直なお樹き 郵便局の地方創生 全国郵便局長会石川県能登地区会は、日本海の北側に突き出た能登半島の七尾市、羽は咋くい市、輪島市、珠す洲ず市、羽咋郡、鹿島郡、鳳ほう珠す郡7地域の郵便局で構成しています。 2011(平成23)年6月には、「能登の里山里海」が世界農業遺産*1に認定されました。認定の年から、能登地区内の郵便局も行政とともに、認知度を高める施策に取り組んできました。認定10周年を迎え、さらに今年は郵便局も能登の魅力発信に大きく関わっていきます。 ここでは、私の勤務する南大呑郵便局が建つ七尾市を中心に地方創生に向けた能登地区会の取組みを紹介します。包括連携協定締結で七尾市と一層強固な協力関係の推進 郵便局と七尾市は日本郵政グループが民営化される以前からワンストップサービス*2を通じ、連携を図ってきた歴史があります。そのような経緯もあり、2019(令和元)年地方創生ケーススタディ⓱12月2日から七尾市内の4郵便局(崎さき山やま郵便局・佐さ々さ波なみ郵便局・七なな尾お満ま仁に郵便局・南大呑郵便局)で、住民票の写しや納税証明書など10種類に及ぶ証明書の交付事務が開始されました。また、2020(令和2)年4月1日からは、田た鶴つる浜はま郵便局・中なか島じま郵便局・能の登と島じま郵便局で5種類の証明書交付事務が、また今年6月1日には「代理人による請求」も交付可能となりました。 2020年10月1日の日本郵便と七尾市との包括連携協定は、住民の方々から両者の協力体制が深まることを大いに期待されています。お客さまのご意見やご要望をお伺いし、地域の声として自治体にお伝えすることも郵便局長として、大切な仕事だと思っています。移住定住促進へ北陸地方会が取り組んできた施策の深化 七尾市は、ワーケーション(本社機能移転)の候補地として注目されています。働き方改革の流れを受け、「新しい日常=新常態石川県七尾市大呑ビレッジから望む立山連峰。七尾市は富山県氷見市と隣接している。*2 一つの場所でさまざまなサービスを提供するもの。2001(平成13)年地域住民への利便性を高めるため、最も身近な窓口機関である郵便局におけるワンストップサービスが一部可能となった。*1 世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems (GIAHS):ジアス)とは、2002(平成14)年、食料の安定確保を目指す国際組織「国際連合食糧農業機関」(FAO、本部:イタリア・ローマ)によって開始されたプロジェクト。ユネスコが推進する世界遺産が、遺跡や歴史的建造物、自然など「不動産」を登録し保護することを目的としているのに対して、世界農業遺産は、地域のシステムを認定することで保全に繋げていくことを目指している。 「能登の里山里海」は、新潟県佐渡市の「トキと共生する佐渡の里山」とともに、日本で初めて世界農業遺産に認定された。お話をうかがうことが、地域の活性化、地方創生に繋がる第一歩となる。富山県氷見市08郵便局のネットワークを生かし、人を呼び込む地方創生

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