ZENTOKU 2021年夏号
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杉浦譲 ★特集1951(昭和26)年4月14日発行1927(昭和2)年6月20日発行 万国郵便連合加盟50年記念1961(昭和36)年4月20日発行 日本郵便90年記念1947(昭和22)年8月10日発行1925(大正14)年4月20日発行 郵便創始50年記念1946(昭和21)年12月12日発行 日本郵便75年記念1985(昭和60)年6月5日発行 前島密生誕150年記念1946(昭和21)年11月20日発行1968(昭和43)年1月10日発行1952(昭和27)年8月11日発行1994(平成6)年8月10日発行 郵便切手の歩みシリーズ第1集02創業期に尽力した前島密と3人の英傑たち郵政創業150年に寄せて❶ 日本の郵便事業は1871(明治4)年、東京と京都・大阪間に新式郵便の取扱いが開始されたことによって始まった。創始者は「日本近代郵便の父」と呼ばれた前島密(1835(天保6)-1919(大正8))。しかし、郵便事業、郵便貯金、簡易保険、通信事業に至る「郵政事業」の基礎固めを前島1人で成し得たわけではない。 前島とともに150年続く郵政事業の礎をつくったといえる3人の先達とは─。郵便制度を確立させた杉浦譲郵便は「歴史」を変えた近代郵便の創始から150年。郵便事業は通信・情報伝達の歴史をどのように変え、また郵便制度は時代に応じてどのように変容していったのか、さまざまな角度から検証し、今後の郵政事業のあり方を考察する。第1回は、草創期に郵政事業と深く関わった英傑たちと、受け継がれてきた郵便局のユニバーサルサービスについて考える。前島密を描いた切手は、これまで約20種。切手はすべて郵政博物館収蔵★★ 国立国会図書館所蔵 ★郵政博物館収蔵  杉すぎ浦うら譲ゆずる(愛蔵)は前島と同年の1835年に甲府で生まれ、1877(明治10)年に43歳の若さで病に倒れた幕末期の幕臣、明治初期の官僚である。 杉浦はイギリスに出張した前島の後任として明治政府の駅えき逓てい権ごんの正かみとなり、郵政部門のトップである初代駅えき逓てい正のかみとなった。初代逓信大臣は榎本武揚だが、「大臣」と称す前、駅逓正と呼ばれた肩書の頃のことである。 前島は新式郵便の取扱いが始まる前年、1870(明治3)年に租そ税ぜい権ごんの正かみに任じられ、鉄道建設資金借款関係の要務のために渡英することとなり、郵便事

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