ZENTOKU 2021年春号
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―まず現在、御殿場市が郵便局と連携し、力を入れていることについて教えてください。 郵便局とは二〇二〇年八月二十四日、SDGs(持続可能な開発目標)に関する包括連携協定を締結しました。SDGsの取組み推進に特化した包括連携協定を日本郵便株式会社様と締結するのは、地方自治体としては全国初の試みです。郵便局と連携し、社会課題の   解決を推進していく―具体的にはどんなことに取り組むのですか? 協定の連携事項は大別して「地域経済活性化に関する事項」「安心安全な暮らしの実現に関する事項」「災害時の情報提供に関する事項」「教育支援に関する事項」「その他、地方創生及びSDGsの推進に関する事項」の五項目があります。この協定にもとづく取組みの第一弾として、市内に一〇〇以上あるポストに、QRコード付きの「情報郵便POST」ステッカーを貼りました。ポストをメディア化する試みで、そのステッカーのQRコードを読み取ると、御殿場市の各種の情報をスマートフォンで見ることができます。 郵便局のネットワークは全国を網羅し、地域に密着しています。その郵便局と連携し、持続可能な地域社会づくりをさらに進めていきたいですね。―御殿場というとイメージは「富士山」。持続可能な社会、特に「災害時の情報提供に関する事項」と聞くと、富士山の噴火が気がかりですね。 静岡県は地震災害も気がかりですが、御殿場市は標高五〇〇メートルほどの高原都市ですから津波の心配はなく、大きな河川もないので比較的風水害も少ない。ただし富士山が噴火したら、噴火の規模にもよりますが基本的に避難するしかありません。しかし噴火の前には、必ず何らかの予兆がありますので、事前に避難をすることが可能です。そのために数年に一度、噴火や大規模地震時の広域避難について防災訓練を行っています。 避難は一人で行うのではなく、地域住民が連絡を取り合い、一緒に逃げることが大事です。その点では、郵便局のみまもりサービスや地域内のネットワークなども重要です。ぜひ協力して取り組んでいきたいですね。―そもそも、若林市長と郵便局の関わりについてはどんなきっかけ、思い出がありますか?リーダーインタビュー16霊峰富士の東麓に位置する緑豊かな高原都市・御殿場。人口は約8万7000人。静岡県東部の中核都市であるとともに、東京から約80キロの距離にあることから、東京・横浜など首都圏の経済圏の顔を持つ。また富士・箱根・伊豆などの観光の拠点都市という面もあわせ持つ。だが若林洋平市長は、「そうした地の利を十分に生かしきれているとはいえない」と語る。その真意は―。静岡県御殿場市長若わかばやし林洋ようへい平さん御殿場市06御殿場市の ポテンシャルを発揮したまちづくりを実現

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