ZENTOKU 2020年夏号
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高山市では御嶽山の麓の秋神郵便局で住民票の交付などを担ってもらっていて、市にとっても市民にとってもありがたい存在です。そのように役割と取り組みをあらためて見直し、これまでの地域協定も見直していく必要がありますね。―日頃の連携も大きいですね。 そうです。郵便局の職員さんは市民のご家庭を隈なく回っているので、どこに道路補修の必要があるか、高齢の方の様子など、異変があればご連絡いただいています。―ところで、市長ご自身にとっての郵便局の思い出を挙げていただくとすると……。 木版画の年賀状ですね(笑)。高山をはじめ飛騨地域は昔から木工が盛んで、木版画も盛んでした。昔は小学校の図工でも朴ほおの木の板に彫刻刀で版画を彫っていた。版画の年賀状は子どもの頃から市長になるまで続けていて……懐かしいですよ。―ぜひ、一度拝見させていただきたいですね(笑)。休日はどのようにお過ごしですか? 若い頃はスキーなどを楽しんでいましたが、今は年に二〜三回のゴルフでしょうか。運動不足で血液の数値が悪くなるのは、どこの市長さんも共通する悩みです(笑)。 私は晩酌はしませんが、就寝前に数ページでも、一五分でも本を読むのが習慣です。心も落ち着きますし、いろいろな情報が得られます。利便性を高める役割を担ってきた。地域経営は役所が担うといった役割分担です。 しかし、今後人口が減少する中で、同じ役割分担でいいのか、考え直す良い機会です。役所と郵便局がなぜ別々に存在しなければならないのか、と原点から考えることも重要です。生活を向上させるという同じ役割なら、統合してもいいのではないか。そう考えると、例えば郵便局に役場の支所の役割を担っていただくことも考えられます。 INTERVIEW観光もまちづくりも、その土台から見直すことが求められる   インナーブランディングを強化―ウィズコロナ、アフターコロナといわれる中、これからが市政面での腕の見せどころですね。留意されていることはありますか? 施策を具体的に進めていくためには、地域の声を吸い上げていくことが重要です。リーマンショックや二度の大震災を経験しましたが、復旧・復興の道筋が何とか描けました。しかし、新型コロナ感染症は誰もが未経験で参考書もないので全てが手探りの状態です。その中で新しい観光のスタイルを高山市から発信していきたいですね。 そもそも、首長は自ら手を挙げてやる仕事なので、好きじゃないとできません。どの首長さんも、ご自身の地域を愛して頑張っています。 しかし安易な考えは失敗のもとです。例えば観光面で「宿泊料金を下げれば観光客が戻ってくるのでは?」などと考えがちですが、本来は、観光する方々に「また、あそこを訪ねてみたい」と強く思っていただけることが大事。まちづくりをする側は、「私たちの町には、こんなに人を魅了するところがある!」と示していくことが重要だと思います。さらに、住んでいる地域の方々がいいところだと思える町にしていく。まさにインナーブランディングの強化が重要ですね。07

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