ZENTOKU 2020年春号
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15 令和二年二月二十四日(月)、新潟県上越市リージョンプラザ上越において「前島密翁没後100年記念講演会」が開催された。 郷土の偉人“前島密翁”を顕彰する会(堀井靖功会長)、新潟日報社が主催し、上越市による共催、日本郵便株式会社の特別協賛、郵政博物館、前島記念館等の協力により、約四〇〇人が参加して行われたもの。 参加者は、郵便だけでなく多方面から日本の近代化を支え貢献した「郷土の偉人」に思いをはせた。 歴史家で作家の加来耕三氏が基調講演し、前島が実現した郵便制度について「いつでもどこでも誰でも信書を往来することができるようにし、四民平等を掲げた明治維新の理想を具体化した」と評価。鉄道や海運、新聞発行に携わった功績にも触れ「郵政にとどまらず、日本の近代化を成し遂げた」と強調した。前島密翁没後100年記念講演会が開催される令和2年全特トピックス堀井靖功氏郵政博物館の井上卓朗館長前島記念館の利根川文男館長 休憩をはさみ、行われたパネル討論では、加来氏、郵政博物館の井上卓朗館長と、前島記念館の利根川文男館長が登壇。 井上館長は「郵便制度により、中央集権国家が成り立つのに必要なネットワークができた。中央政府や個々の企業活動の情報が日本中に流れるようになった」と説明した。利根川館長は前島密翁の人間的な横顔にもふれ、「ふるさとの偉人を全国に発信していこう」と呼び掛けた。パネル討論では、郵便の父として、また日本の近代化に大きな功績を残した前島密翁の素顔に迫った。基調講演で熱弁をふるう加来氏。没後100年を記念して発行された記念誌。ふるさとの名士としての前島密に焦点をあてる。

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