ZENTOKU 2019年秋号
6/16

|九度山町は観光客数を大きく伸ばし、町長は二〇一六年には「関西元気文化圏賞」特別賞を受賞されるなど活気あふれる町と聞いています。 ありがとうございます。観光客数はずっと一三万人前後で推移していて、『真田丸』の放送された二〇一六年には一八〇万人を超えました。現在は年間一〇〇万人レベルで推移しています。 最近は国内だけでなく海外からのインバウンドのお客さんにもたくさんお越しいただいています。|観光客数を急伸させた背景には、町としてどのような取り組みがあったのでしょう? 町全体の三年先、五年先の未来予想図を描いたとき、まず町を三つのエリアにゾーニングしましリーダーインタビュー10毎春GWの時期に行われる「紀州九度山真田まつり」。5万人以上の来場者数があり、特に武者行列は観光客、町民こぞって最高の盛り上がりを見せるてね。一つは高野山から慈尊院に通じる町石道一帯の世界遺産ゾーン、それと町の中心地のまちなかゾーン、山間地の自然体験ゾーンです。   「空間」は最大の観光資源だ|それぞれに、どのような取組みを? 世界遺産ゾーンはいわば完成されたエリアで、まずまちなかゾーンの活性化に取り組みました。まちなかには郷土が生んだ政治家・松山常次郎記念館、高野山真蔵院の里坊として建立された旧萱野家(大石順教尼の記念館)、真田幸村父子の屋敷跡に建てられた真田庵という寺の三つの施設があ 和歌山県九度山町長岡本 章さん世界遺産・高野山に抱かれ、NHK大河ドラマ『真田丸』では真田三代(昌幸・幸村・大助)幽閉の地として舞台の一つともなった和歌山県九度山町。人口四二〇〇人の山あいの小さな町ながらNHK放送後は観光客数が一〇倍強に、一〇〇万人レベルに伸ばしたという。その背景には、行政と町民が一体となった観光戦略があった。「郵便局の存在も大きい」と語る岡本町長に、観光客急伸の秘密、郵便に対する期待を語ってもらった。観光客数急伸の秘密九度山町り、それを「トライアングル構想」と称して記念館・観光施設としてオープンしました。そのうえで、二〇一六年にはトライアングルの中心に九度山・真田ミュージアムをオープンしたわけです。 すべて南海電鉄の九度山駅から半日で歩いて回れる距離で、車でお越しの方も道の駅「柿の郷くどやま」に駐車して、そぞろ歩きしていただけます。|そのまちなかではどのような活性化策を? 二〇一六年から毎秋、「くどやまアートウィーク」という芸術祭を開催し、全国からアーティストを招きました。また、地元商店・住民の方々にもイベントや出店などでご協力いただいています。 芸術祭には、若い人を呼ぶ力がある。毎春の「紀州九度山真田まつり」の武者行列も盛り上がりますが、芸術祭もすごい盛り上がりですよ!06

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る