ZENTOKU 2019年春号
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019︱2335秋田県 強こわ首くび郵便局長星ほしのみや宮 徹とおる秋田県の大曲仙北地域の八市町村が合併して誕生した大仙市の強こわ首くび地区は、雄物川左岸に所在し、以前から大雨による浸水被害がある地域で、住民はその被害に悩まされていました。平成十四年、浸水被害を防ぐために、当時画期的とされていた輪わ中じゅう堤ていが*完成しました。 浸水被害を見てきた私は、防災意識の必要性を痛感し、地域防災リーダー役を務めるには防災士が最適と考え、局長となった平成二十年に防災士資格を取得しました。 平成二十九年七月二十二日、降り始めてからの雨量が三〇〇ミリを超え記録的な雨量を記録し、翌二十三日に避難指示が出されました。私は、自治会の役員でもあるため、避難指示が出てすぐに招集されました。役割分担を確認した後、全世帯を駆け回り避難指示が出たことを伝えて避難誘導を開始。安否地域一体となった防災活動確認に関しては、地元でもあり、家族構成などを熟知しているので、スムーズに確認は取れましたが、避難となると誰もが「行かなくていい、大丈夫だ」と言いはり、またひとり暮らしの高齢者の方は「あと何年も生きないからいい」との返事です。それでも命に関わるからと避難の必要性を力説した結果、ようやく応じてくださり、避難所まで一緒に向かいました。この事から大雨による被害・浸水・土砂災害等もしものことを考えて早めの行動をとるためには、普段からの心構えの必要性を住民の方々に理解していただく必要が平成29年7月22日未明から降り始めた記録的な大雨は、一気に水位が上がってきた。避難所で不安な一夜を過ごした。排水ポンプはフル活動。増水した雄物川。大仙市では、全壊・半壊した家屋もあり、床上浸水や床下浸水の被害件数は約800世帯にのぼった。防災訓練を実施しています。簡易担架の作り方・AEDを使用した救急活動・防災ずきんの作成など防災意識に力を入れ、今年度は、炊き出し訓練・自治会独自のハザードマップ・危険個所作成の実施予定です。 この経験を踏まえ、防災は、行政・自治体に任せっぱなしではなく、住民一人ひとりが真剣に考えていかなくてはならないと痛感しました。「自助・共助・協働」の連携に貢献できるよう、防災士・郵便局長として継続して精進していきたいと思います。頑張ってます! 防災士あると実感しました。 私も生まれて初めて避難所生活を一日だけ経験しました。翌日二十四日、郵便局も閉鎖しましたが夕方ようやく勧告が解かれ、全国郵便局長会・ゆうちょ銀行・かんぽ生命様よりタオル等支援物資を沢山いただき、近隣の浸水被害のあった自治会に早急に届けました。幸い人的被害は無く安堵したことを覚えています。 避難解除後、地域の役員会では、災害が発生した時にいかに素早く誘導・確認できるかが重要との認識で一致しました。以来、日頃から体制を整えるために自主大仙市●〶強首郵便局*輪中堤とは、ある特定の区域を洪水の氾濫から守るために、その周囲を囲むように造られた堤防のこと。14

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