ZENTOKU 2019年冬号
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愛知県一宮市長 中なか野の 正まさ康やすさん名古屋=東京間、夢のリニアモーターカー開通まで、あと10年。名古屋市を中心とする東海エリアは、若手の首長たちが地域を牽引し、経済も活況を呈している注目の地域です。今回は、郵便局の勤務経験もある、一宮市の中野市長にお話を伺いました。──一宮市は、郵便局と組んで、さまざまな施策を行っていらっしゃいますが、現在、また今後力を入れたい施策について、教えてください。  ふるさと納税の返礼品として、郵便局の「みまもり訪問サービス」の導入を検討しています。詳細は調整中ですが遅くても年度内には正式に発表できると思います。 現在の一宮市にはサービスを提供する返礼品はないので、初の試みとなります。郵便局と連携することで、市民の安心に役立ち、地域のポテンシャルを引き出す機会にしたいと考えています。──一宮市が現在抱えている問題点について、顕著なものをお聞かせください。 やはり人口減少、少子・高齢化の進行は、深刻に受け止めなければならない状況にあります。一宮市は、東海地区の経済状況が好調なこともあり、転入される方が多く、人口は緩やかな減少傾向に止まっています。しかし、年代別の構成をみると平成三十年十月時点の六十五歳以上の方の占める割合が二六・四%で、五年前の平成二十五年十月の二三・五%から三ポイント近く上昇しています。 安定した市政運営を実現するには、バランスのとれた年代構成を実現しなければなりません。そのために、働く世代の方たちに一宮市に住んでいただく、選んでいただくということが重要だと考えています。一宮市生まれ。大学卒業後、郵政省に入省し、新潟県村上郵便局長も務める。EU(欧州連合)外交官として海外に赴任、大学講師、総務省、広告代理店などさまざまな職種を経験し、平成27年2月一宮市長に初当選。リーダーインタビュー7──全国の働く世代に、一宮市の魅力をアピールするため、具体的にどのような施策を展開されていらっしゃいますか。 共働きの方が安心して働くことができる環境整備に取り組んでいます。これまでも市立保育園等の整備を進めてきたことにより、待機児童はゼロとなっています。 ほかにも、小中学校ではICT教育に力を入れており、市内の小中学校二十七校がソフトバンクグループ株式会社が実施する「Pepper社会貢献プログラム スクールチャレンジ」に参加し、人型ロボット「Pepper」を活用したプログラミング教育に取り組んでいます。──一宮市のいいところ、自慢できるものをお聞かせください。  やはり、交通の利便性が高いことです。名古屋からJR線で一〇分の距離です。二〇二七年リニア中央新幹線が開通すれば、東京と一時間で結ばれます。そして、名神高速道路と東海北陸自動車道が通り、自動車でのアクセスも便利です。そのような都会的な面を持ちながら、木曽川と一八㎞余りも接して自然の息吹が感じられる、とても住みやすいまちです。都会の利便性と自然の共存する住みやすいまち。Pepperを活用したプログラミング教育で学ぶ子どもたち。市立保育園等の整備が進み、待機児童ゼロを実現。18

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