ZENTOKU 2018年夏号
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てみたい」と思わせるだけの魅力を持っていなければならないのです。 「蒋渕を元気にしたい!」「蒋渕の特産品をもっと食べていただきたい!」との思いを結実させたのが、平成十六年に立ち上げた「こもねっと(http://kompnet.com)」です。私も休日を利用して、メンバーの一員として活動しています。皆の顔がわかるような地域では、住民皆が行動しなければ、何も動きません。 こもねっとの拠点は「こもてらす」という海に面したカフェと加工棟です。カフェには、松本零士さんの原案をもとに高校生たちが製作した絵が掲げられ、加工所で作った料理も提供しています。海水浴や釣り客の食事処や休憩所としてご利用いただいていますが、地元の方の雇用の面でも一役買っています。今年の仲こもねっとの発行する「コモマガ」(季刊)。特産品販売欄と蒋渕のニュースを盛り込む。秋の名月には、ジャズフェスティバルを開催予定です。 また愛媛大学の教授とお話する機会があり、毎年約二週間、十五名の学生が蒋渕でさまざまなことを社会体験する企画を行うようになりました。住民の方にも、参加する学生にも双方に良い影響を与えているようです。 京都からのIターンで、郵便局の期間雇用社員でもある雨あめもり森稔みのるさんは、こもねっとの仕事も兼務し、地域振興のリーダーとして、活躍の場を広げています。かつて釣り客として蒋渕を訪れていた頃は、住民の結束が強く、壁を感じることもあったそうですが、今やすっかり地域に溶け込んでいます。 これからも地域の中の郵便局を意識して、地域の情報を発信すると同時に、全国、世界からの情報も受信するコミュニティ窓口でありたいと思っています。郵便局の局名入りポスト型はがき。風景印に郵便船があしらわれている。夫婦でIターンした雨森さん。「局長から郵便局の仕事をお声掛けいただいて、移住の決め手となりました」。低い山々に囲まれ、波が穏やかな時は湖のように静かな海。漁師町は朝が早く、そして夜も早い。朝6時には、鉄道唱歌が流れる。これは作詞した大和田建樹が宇和島市出身のため。以前は蒋渕では朝5時に流れていたという。07

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