ZENTOKU 2018年夏号
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942︱0013新潟県 黒くろ井い郵便局長渡わた辺なべ 徹とおる新潟県上越地区郵便局長会は、新潟県南西部に位置する上越市、妙高市、糸魚川市の三市内にある九十四の郵便局で構成されています。 海と山に囲まれ、自然豊かで四季折々の季節を感じることができる地域ですが、それは同時に、常に自然災害や二次災害と向き合っている地域でもあります。 春は、山間部で融雪による雪崩、夏から秋にかけては、大雨や台風による風水害、冬になれば、山間地では三メートル、市街地でも一メートルを超える大雪災害、海岸部では暴風雪による停電や交通災害が発生します。 私は十年ほど前に防災士の資格を取得しましたが、上越地区会では約八割の局長が資格を取得していて、防災士研修講座で学んだ知識を活かし、それぞれの地域で前述の自然災害を含めた防災活動に関わりを持っています。 私を含め多くの局長は、資格を取得した当時は「防災に対して関心はあるが、実際に何をすれば良いか分からない」という地域と向き合う防災活動共通の悩みを持っていましたが、今では高齢者の方を含めた地域住民の方々が、どのようにしたら安心・安全に暮らせる街づくりができるかを考え活動しています。 ここで具体的な活動をご紹介します。◦糸魚川市大規模火災復興支援 平成二十八年十二月二十二日、糸魚川市において大規模火災が発生しました。折からの強風にあおられ延焼し、鎮火まで約三十時間燃え続け、糸魚川駅北側から日本海沿岸まで南北方向に大きな被害が出ました。新潟県は災害救助法を適用し、被害の大きさから被災者生活再建支援法(風害による)が火災では初めて適用されました。 糸魚川地域の郵便局では、局長が中心となり、食料支援や災害時有線電話の活用、訪問による地域住民への各種サービスを率先し心肺蘇生法講習会の様子て提供しました。◦町内会と連携し心肺蘇生講習会を開催 私個人の活動としては、昨年九月に町内会と地元企業に働きかけ、消防署員を講師に招き心肺蘇生についての講習会を開催しました。  町内の防災活動に連携した取組みでしたが、男女問わず、多くの住民の方々や企業にお務めの方々にお集まりいただき、人工呼吸、AEDの使用方法も含めた心肺蘇生を学びました。受講された皆さんからは大変好評でした。心肺蘇生法は毎年その方法が変化しているとお聞きしたこともあり、継続的な開催を、という声を多くいただきました。今後も機会を捉えて開催していきたいと考えています。頑張ってます! 防災士糸魚川大火の消火活動現場糸魚川大火の鎮火後の被害状況14

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