ZENTOKU 2018年春号
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⬆ 松上げ。お盆(地蔵盆)の時期(8月24日前後)に行われる。長棒の上に取り付けた籠に、投げ入れた松明が着火し燃え上がると最高潮に達する。⬆ スマイルカーで子どもたちの通学を見守る。地域の宝を育くみ、地方創生へケーススタディ  地方創生❹〜地域の一員として、郵便局らしく役割を担う〜917–0355福井県 中なか名な田た郵便局長田た中なか 良よし春はる 中名田郵便局のある中名田地区は、小浜市の西南端に位置し、八七%が山間部という環境です。昔ながらの茅葺の家が今も残っていることで知られる、おおい町名田庄地区と境を接しています。国道162号線を車で三〇分ほど走行すると、堀越峠を越えて京都府南丹市に入ります。小浜市は京都に繋がる数本の街道(鯖街道)が通っていたことでもわかるように、言葉や文化など、京都の影響が感じられる地区で、坂上田村麻呂*ゆかりの寺院や京都愛宕神社信仰の火祭りを受け継いだ「松上げ」が現在も地区内の数ヶ所で行われています。 紙漉きの里としても知られていましたが、最後に一軒残ったお店も小浜の中心街に移転し、過疎化に拍車のかかる地域です。 小浜市は、北陸新幹線の新駅が開設される予定で、駅周辺や中心市街地の環境は大きく変わることも考えられますが、中名田地区までは若干の距離があります。 高齢者の方々はとても元気で頼もしいのですが、若い人たちが戻ってきて定住*平安時代の武官で、 京都の清水寺を創建したとも伝わる。⬆ 地域のコミュニティセンター、中名田公民館。⬇ 「田村のめぐみ」は、米も水も中名田産。好評で売り切れ必至。化してもらえるよう、公民館が中心となって、平成二十七年に「田村のゆめづくり協議会」が設立されました。協議会では、四つの大きな柱を掲げ、地域の活性化に取り組んでいます。まず「健康で暮らせる地域づくり事業」では、コミュニティータクシー(スマイルカー)を高齢者の利用に限らず、小学校の登下校時のみまもりにも活用しています。中名田郵便局は通学路に面していますので、子ども110番の役割を担っています。 第二の「地産地消の特産品づくり事06

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