ZENTOKU 2018年春号
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861︱2222熊本県砥と川がわ郵便局長西にし村むら 龍りゅう治じ復興する郵便局の今4 砥川郵便局は、上益城郡益城町にあります。熊本地震では、熊本城と並んで被害の映像が最も多く流れた地域ではないでしょうか。それほど被害は甚大でした。 砥川郵便局の局舎には、幸い被害はありませんでした。しかし、自宅の二階が半壊し、未だに建て直しにも取りかかれず、無事だった一階で生活している状況です。 震災当日、社員や家族の無事を確認できたときに広がった安堵感は忘れられません。 ご存じのように、二〇一六年四月十四日、益城町では震度7を記録した地震が発生しました。そのわずか28時間後、四月十六日に再び震度7の揺れが益城町を襲いました。我が家も一度目の地震は持ちこたえましたが、二度目の本震には耐えきれませんでした。 それまで抱いていた「震度7ほどの大きな地震の後は余震(だから、次の揺れは弱い)」という常識は覆され、誰しも不安の中で過ごしていました。目には見えない災害の記憶が皆さんを襲っていたのです。 昨年の十月には、仮設住宅の退去問題も期限延長が閣議決定されましたが、どうやら更に延長していただく必要がありそうです。全国の皆さまに未だに地震を原因として亡くなる方もいらっしゃる現状を知っていただきたいと思います。 二年も経てば、記憶は風化していきます。ボランティアの方も自分の生活に戻っていかれます。賜ったご支援・ご協力には、感謝しかありません。 しかしながら、地域の方々は「災害はいつ起こるかわからない。それも繰り返し起こることもあるのだ」と身を持って体験されました。建物など、復興に向けて徐々に前進していますが、気持ちの上で立ち上がるには、相当な時間がかかるということです。 郵便局は、いつも「安心」を提供できる存在であり続けたいと思っています。地域に寄り添って、復興に向け地域の皆さまとともに歩んでいきます。地震で倒壊した家屋。未だにそのままの建物も多く見られる。いつも傍に寄り添って復興へ歩み続ける郵便局でありたい17

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