ZENTOKU 2018年冬号
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熊川郵便局の立地は少し特殊です。郵便局がある「熊川宿」は、福井県と滋賀県の県境の山間部に位置し、古来より大陸からの文化と日本海の恵みを都にもたらす「鯖街道」の宿場町として、旺盛を誇りました。しかし、明治以降は徐々に衰退し、街並みだけがそのまま残る結果となりました。 一九九六年の『重要伝統的建造物群保存地区』への指定をきっかけに、二〇一五年には鯖街道が文化庁の日本遺産に認定されるなど、着実に知名度を上げていますが、観光客の数や経済効果はまだまだ発展途上です。 そんな熊川地域の振興に向け何か発信したいと考え、私が得意とするイラストのスキルを活かし、誕生したのが『クマ川さん』でした。クマと言えば鮭ですが、鯖街道ですから、小脇に鯖を抱えさせています。カワイイでしょう? 元々は熊川郵便局のキャラクターとして愛着を持って使っていたこのクマ川さん、イベ自ら生み出したゆるキャラで地域活性化919–1532福井県 熊くま川がわ郵便局長石いし田だ 智とも也や福井県地域貢献・地方創生活動拝見ントを取材に来ていた新聞記者の方の目に留まり、翌日の新聞に紹介されたのがきっかけとなり、二〇一七年に熊川宿のマスコットキャラクターに認定されました! 以降、クマ川さんは到るところで露出が増えてきています。目指せ!くまモン、ひこにゃんと行きたいところですが、単純にゆるキャラが地域経済活性化の起爆剤になるとの思い込みは危険です。一過性のブームに終わら「クマ川さん」は熊川宿のさまざまなイベントに出演中14

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