ZENTOKU 2018年冬号
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 今や島根県内十九校でも県外からの留学生を募集しており、教室だけでは収まらない未来型の新たな学びのかたちを提唱している。 地域に息づく「人を育てる」ことは、地方創生の一翼を担う郵便局にも大いに学ぶべきところがある、と参加した局長たちも熱心に聴き入っていた。 ❖  平成二十九年十一月二十六日(日)、東京フォーラムで、しまねUターンIターンフェア2017―2018が行われた(東京のほか大阪・島根で開催)。約100のブースと総勢250人の島根県民が集結。郵便局長も来年の出店を見据え、地方創生のネットワークを広げるべく、参加し会場を盛り上げていた。2015年4月に完成した新校舎。塾がある古民家の交流スペースは塾生に限らず、全ての人に開放されている。塾の一画には、松下村塾と同じ間取りの部屋もある。唯一「海士」の名称が入っている「海士郵便局」。海士町の玄関口、菱浦港の近くに建つ菱浦郵便局。集配業務も行う。 秋号に続く第二弾として、島根県隠岐郡海あ士ま町ちょうの人づくりについて、今回は、「島留学」施策の関連施設、隠岐國学習センターの視察模様等をレポートする。 平成二十九年九月一日(金)、中国地方郵便局長会(末武 晃会長)は、日本郵便株式会社中国支社とともに、海士町役場を訪問し、山内道雄海士町長、役場の職員の方々と地方創生について意見交換を行った後、隠岐國学習センター等を見学した。 隠お岐きの國くに学習センターは、島根県立隠岐島どう前ぜん高校と提携した公立塾。 島前高校では、人が集まる魅力ある高校を目指し、「島留学制度」を導入し、里親の確保や宿泊施設の整備などを行っているが、教育格差の解消に向けた施策として、保護者にも負担の少ない公立塾として、隠岐國学習センターが設立された。 スタッフには大手企業や省庁・行政職員向けの研修講師を務めた方や、大手予備校の小論文指導担当者、大手通信教育会社の教材編集経験者が在籍し、塾生の指導に当たっており、Uターン、Iターンによる人材が活かされている。また「夢ゼミ*」と称するプロジェクトベースドラーニング型授業を行っており、個性を伸ばし、将来地域を盛り立てていく人を育てることに力を注いでいる。海士町を訪問、人を育てる地方創生に学ぶ〜中国地方郵便局長会〜➡➡しまねUターンIターンフェア(東京)の会場内の様子とチラシ。塾生たちが学ぶ教室で、説明会を受講。海士郵便局前のバス停。標識柱は、キンニャモニャ祭で使われるしゃもじをかたどっている。キンニャモニャ祭とは、海士町の民謡「キンニャモニャ」を踊る、町最大のイベント。子どもも大人も両手しゃもじを持って踊りながらのパレードの他、花火大会も開催される。*週に1回開催される、ゼミ形式の授業。生徒が自分の夢や将来について発表したり、ディスカッションをしたりして、その夢に近づくためにはどうしたらいいのかを考えさせる。 講師には地域の大人や島外の著名人を招くこともある。11

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