ZENTOKU 2017年秋号
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 富岡製糸場の近くの、富岡七日市局・小お越こし局長と、近郊に位置する小野局・松井局長に、世界遺産認定前と認定後の変化を伺いました。小越局長によると、製糸場の周辺は観光で賑わっていますが、店舗等のほとんどが市外から流入してきた資本によるもの。富岡で以前から暮らしてきた人にどう寄り添っていくかが郵便局の立ち位置だと言います。松井局長も、富岡製糸場から少し離れると、高齢化の問題をはじめ、地方が抱えている問題の深刻さを痛感するとのこと。 富岡製糸場をまちの誇りとして過ごしてきた局長たちの視線は、世界遺産登録に沸き立つブームより、地域とともに生きていくこれからに向けられていました。❖安中市碓氷峠にある碓氷第三橋梁・通称「めがね橋」は、近代化遺産登録第一号。碓氷川に架かる煉瓦造りの四連アーチ橋は、長さ九一m、川底からの高さは三一mでわが国最大のものです。 全国的に鉄道が敷設されていくのは、明治二十年代になってからのこと。碓氷峠は、平安時代から交通の要所として知られ、江戸時代には中山道の守りの要として碓氷関所が設置され、関所の東門は安中藩、西門は幕府直轄であったため「天下門」と呼ばれました。中山道は、幕末に皇女和宮がお輿入れの際に通った道でもあり、資料も数多く残っています。市の条例により、観光ルートにあたるコンビニや富岡郵便局の看板も、濃いブラウンに統一されている。看板の足下の自動販売機も茶色に塗られていた。富岡七日市郵便局小越 康局長横川郵便局 岡山 勇一局長世界遺産シリーズ切手シート貯金の窓口で押印される局名印にも歴史がある。横川郵便局からほど近い碓氷関所門(再建)。横川局の風景印にも。郷土食・焼きまんじゅうのフォルムカード横川郵便局富岡七日市郵便局鉄道ファンならずとも、訪れてみたい碓氷峠鉄道文化むら。実際の電車を運転できる講習(有料)も実施されている。小野郵便局 松井久史局長小野郵便局富岡製糸場女工のフォルムカード(日付印は、富岡郵便局)『郵便現業絵巻』(明治26年)にも描かれた鉄道郵便車の車内で区分する作業の様子 (『郵便現業絵巻』郵政博物館提供)04

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