ZENTOKU 2017年9月特別号
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持っています。二〇一六年から始め、二〇一六年は十五寄港、今回五十三のクルーズ船が金沢港に入り、日本海を回るという企画で、県内の郵便局にチラシを置いたり、港で臨時郵便局や物産展を開いたり、さまざまなかたちでクルーズ船の施策をバックアップしています。 そして、北陸新幹線が開通して三年目を迎え、二〇一六年、一度だけですが仙台と金沢の直行の新幹線を走らせました。これは大宮での乗り換えなしで直接行くもので、仙台発は大変人気があり、すぐに満席になったと聞いています。金沢からも仙台へ、双方向の直行便を走らせたらもっと効果があるのではないかと知事さんとも話し、二〇一七年は金沢発着の直行便も走らせることになっています。それはまさしく地域間連携の代表的な事案になるでしょう。 能登地域におきましても世界農業遺産に認定されています。十年前に能登沖地震があり、それ以降、能登故郷博を毎年開催し、二〇一七年で十年目になります。そこにも毎回、郵便局がさまざまなかたちで参画しています。 今回いろいろなことに取り組んで感じたのは、やはり局長会だけではなかなかむずかしく、支社も自治体も巻き込んで三者が一体になって同じ動きをしていくことが大事だということです。司会 ありがとうございました。続きまして山﨑副会長、お願いいたします。山﨑副会長 一昨年、東海地方会の会長になったときに、東海四県下の過疎の郵便局を回りました。過疎の郵便局はどうやったら生き残っていけるのか。地場産業の活性化、地公体との連携、観光の充実、特産品。どうやったら地域が活性化し、郵便局をご利用いただけるようになるのかについて、現場の局長といろいろな話をしてきました。 過疎の郵便局の局長はかなり疲弊しています。ですが、そのなかで全特の事務局からも地方創生の話をいただいたり、地公体の皆さんと話をしたりしながら、地域が活性化しなければ郵便局も持たないと、東海地域の首長さんと協議会を開催し、郵便局が地域に貢献できる仕組みについて取り組んでいる最中です。 局長が防災士の資格取得や認知症の方々へのサポート、物販の仕事への取組みなど、まちづくり協議会を開くなかで地公体の皆さんから意見をいただいて組織的に動かしていく、そんなことを取り組んでいます。 ただ、大都市名古屋と三重県の山間部・海辺、岐阜県の山間部、いろいろな町ごとに実情が違うので、地域同士、都市部が応援できる部分を保ち、全体で協議しながら、我々がお世話になっている地域の住民の方々に「やっぱり郵便局、必要だね」といわれるようになる仕組みにしていかないといけません。司会 では、長谷川理事、お願いします。長谷川理事 私は実際にやっていることを発表しましょう。私は千葉県のいすみ市にいますが、まず市との関係は基本的に市長さんをはじめとした郵政の懇談会を四半期に一回行う中で、双方からニーズを引き出し、できることをやっているという状況です。 一つ目は、いすみ市では行政が報道各社に「いすみんメール」というものを毎日発行し、いすみの観光やイベントなどを報道各社に日々送っています。それを郵便局にもいただいて、いい情報は郵便局にも掲示する。また、市として情報が少ないときに、郵便局が知っているマニアックなイベントや郵便局が主体的にからんでいるイベントを市のほうに伝え、そこから報道各社に送ってもらっています。 二つ目は、市内の全郵便局に市の専用コーナーをつくり、広報誌や観光マップなどを専用のパンフ立てをつくって置いています。 三つ目は、ふるさと納税は郵便局が主体で進め、物産の紹介以外に体験型の返礼品として、三十万円寄付すると地元のいすみ鉄道の一日駅長が体験できるというようなものもPRしています。 県との取組みは、千葉県は小学校が八〇〇校あり、郵便局は七〇〇あります。リアルな店舗と県が連携し、お互いに良好な関係になり、最終的に県民サービスがよくなるような取組みができないかと三年ほどかけて進めていることが二つあります。 一つは県と県警と郵便局で連携し、八〇〇校の小学校に県が葉書を送り、郵便局が趣旨説明し、授業の一環として小学校五年生におじいちゃん、おばあちゃんへ振込詐欺等の注意喚起の葉書を書いていただくということです。 それから千葉県が子育て支援の一環として、中学生以下のお子さんがいる世帯に無料でチーパスというパスを提供しています。たとえば、子育て世代がチーパスを持って郵便局に行くと、小さいお子さまにミルクを飲ませるときのお湯を提供するなど、細かなサービスを受けられるパスです。これはまだ郵便局では一〇〇郵便局ほどしか対応できていないので、これから全局に広げたい取組みです。 それから観光関係です。郵便局のシンボルというのはポストで、千葉県では銚子の犬吠埼の白い灯台は結構有名なので、その前に白いポストがあります。それから今度オリンピックのサーフィン会場になる九十九里浜では、海に合わせた青いポストを海の駅という施設に設置しました。司会 ありがとうございます。続きまして佐藤理事、お願いします。佐藤理事 東北は東日本大震災で六十の郵便局が地域とともになくなって、今ようやく七年目になって地域をつくっている段階です。地方創生ではなく、地域をゼロからつくっている。そこに郵便局が真っ先に参加しなければ、その地域をつくることができません。これがほかの地域とは違うところです。 どんな小さな郵便局でも、役所ができると同時に郵便局を地域に迎えてくれと声がかかる。東北の地方創生と郵便局のいちばんの関わりはここだろう、これがユニバーサルサービスの均一な金融サービスをゼロからつくるというこ16

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