ZENTOKU 2017年9月特別号
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泉しかなかったところに水族館をつくり、ガラス工芸館をつくり、ゴルフ場をつくった。そして空港をつくったら、今度は台湾に旅行代理店をつくって、そこからインバウンドのお客さんを誘致するまでになりました。 そういう活性化例を見るにつけ、地域の志ある方たちが集まって運動を起こせば必ず道は開けるということを確信しているところです。私はそうした動きを会社として支えたいと考えています。郵便局は退かず全面的に地方創生を支援する司会 ありがとうございます。それでは「地方創生における郵便局の活用」というテーマをベースに、お話を続けていきたいと存じます。特に十日町、南魚沼、湯沢の三首長さんは、住民の方々にとっての郵便局の存在や郵便局との関係、そして郵便局に対して期待したい役割といった部分で具体的なお話をいただきたいと思います。 まず、林市長からお願いいたします。林市長 郵便局は地域から最も信頼されている存在で、特に地方ではそれが顕著です。そのなかで我々も一緒に取り組んでいこうと思っている部分に「見守り」があります。これはふるさと納税のサービスにもありました。それに加えて公共物、たとえば道の損壊や不法投棄への対応など、行政だけでは目の届かない部分も一緒に協働していければと考えています。 郵便局は、どの地域でも、市役所とその出先よりもはるかに多い数があり、それぞれの各地域の拠点化を、これまでの行政との関係を超えてより密接に進めていく時代です。特に二〇二五年には団塊の世代が全員七十五歳以上の後期高齢の歳になる。そういうかつて経験したことのない社会現象が起きてくるので、これまで以上の連携が必要になるという気がしています。 インバウンドの話でも、観光窓口はそうあるわけではありませんが、それぞれの地域の郵便局が観光でも窓口化し、協力をいただく。市のインフォメーションについても情報発信の役割を担っていただくなどがあります。 今、南魚沼市では空き家バンクをつくっていて、空き家を利用する人、利用してほしい人、特定空き家など、行政ではすべて把握できない面もあります。これらの対応で郵便局に期待するところも大きいですね。 また、自治体には企業でいうと非正規の雇用があります。臨時職員です。この比率が大きな問題になっています。この問題は指定管理ということを含めて行政では対応していますが、これがますます進むだろうと予想しています。そこで郵便局がもっているさまざまなノウハウや新しい事業展開の中で、行政と一緒になった指定管理のあり方を検討できれば、これも連携のもとになっていくのではないかという気がしています。司会 続きまして、関口市長いかがでしょうか。関口市長 十日町市は、二〇〇五年に一市三町一村の五つの自治体が合併してできまして、その際に支所は減らしていません。ところが、消防署の分駐所は減らしました。学校も中学校は減らしていませんが、小学校は合併後に四校から五校は減っています。保育所も減りました。診療所も、オープンできない診療所が二つあります。 そういう中で、郵便局に対する期待は大きなものがあります。実際にいくつかの取組みを進めていて、一つはみまもりサービス。我々は「ひまわりサービス」とネーミングしています。障がいを持つ方が絵葉書をつくり、郵便局の職員さんがその葉書を、一人住まい、もしくは高齢者のみ世帯に直接手渡していただきながら安否を確認していただくサービスです。二〇一七年度の対象者は約八〇〇人で、障がいを持つ方にも若干ではありますが生業となるようなものを差し上げることができます。何よりも、特に中山間地のお年寄りを訪ねていただけるのは本当にありがたい存在です。 国の大方針としてはこれから在宅介護や在宅医療を増やし、従来の医療は減らしていくということです。在宅で高齢者が一人で暮らすパターンがこれからますます増えます。そのなかで、郵便局とのこうした連携のサービスは本当にありがたい。郵便局数は減っていないので、きめ細かなサービスを本当にうれしく思っています。 また、十日町市には各支所から遠いエリアが七ヶ所あり、その地区の郵便局において住民票や戸籍、印鑑証明などの証明書の交付サービスを担当していただいています。こうした行政サービスはコンビニで始まっていますが、コンビニが出店しないエリアでは郵便局はまさに最後の砦。全国郵便局長会 副会長 山本 利郎全国郵便局長会 副会長 山雅明全国郵便局長会 理事 長谷川 英晴全国郵便局長会 理事 佐藤 賢之介司会の㈱ジェイティービー 国内事業本部 観光戦略部長 池田 伸之

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