ZENTOKU 2017年8月夏号
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大子町のニーズと郵便局の提案が合致ケーススタディ  地方創生❶〜みまもりサービス実施の現在〜319–3361茨城県 上かみ小お川がわ局長石いし井い 義よし孝たか 茨城県大子町。茨城県の北西部に位置し、福島県、栃木県と三県にまたがる茨城県最高峰の八や溝みぞ山(一〇二二m)、日本三名瀑の一つに数えられる「袋田の滝」を有する自然豊かな山あいの町です。 八溝材(杉・檜)の産出が盛んだった昭和三十年代は四万人近くあった人口も、現在は一万八〇〇〇人に減少。六十五歳以上の住民が七三〇〇人と、高齢化率は四〇%を超えています。町としても独り暮らし世帯への福祉施策は、急迫の案件でした。 二〇一七年四月から「みまもり訪問サービス*」「みまもりでんわサービス**」を実施し、サービスを希望された高齢者の方、ご家族の方、どなたからも、安心と喜びの声をいただいています。六月現在、訪問サービス一三二名、電話サービス十二名の方がサービスを受けられています。 実施に至るまでは、解決すべきことが山積みでした。二〇一五年、町長さんから「郵便局で一人暮らしのお年寄り宅の訪問ができないか?」という相談を受けました。その当時はこちらの準備が整っておらず、そのため、大子町では独自に十一月から「あんしん訪問事業」「あんしんコール事業」を立ち上げました。 翌年初め、郵便局長会大子部会が「みまもりサービス」を行う茨城県における試行部会に決定し、日本郵便株式会社・関東支社・郵便局長会大子部会が一体となって、大子町長、役場の職員の方々と何度も話し合い、既に行われていた施策に代えて「みまもり訪問サービス」「みまもりでんわサービス」を実施することになりました。 町の福祉課から現状について詳細なヒア⬆⬇「郵便局の制服を着て訪問すると、安心された表情で、笑顔で迎えていただけます。地域で郵便局ブランドが信頼されている証だと思います」と伊藤さん。帰り際にかけられる「待ってるからね」の一言に、やりがいを感じるという。06

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