ZENTOKU 2017年8月夏号
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(一九〇九)年、伊勢外宮前の角地に、明治村に残るこの局舎が建てられました。 宇治山田郵便局では、今も郵便・貯金業務が行われており、通常の業務の他に、明治村が独自に実施している「はあとふるレター」という、十年後に郵送されるサービスがあります。実施開始から十五年が経ち、十年後に届いた手紙に感激したお客さまから、郵便局へ感謝の手紙が届くとのこと。現在の郵便局長(担当)・渡邉保さんは、「いただいたお手紙を読むと、心が温かくなります」と時間を越えても色あせない手紙の持つ力を、実感しているそうです。 もう一つ、郵便局とも関わりのある重要文化財の建物が、札幌電話交換局。明治二十二(一八八九)年、前島密が逓信次官の職にあるとき、郵便及電信局官制が公布され、東京郵便局、東京電信局など、六十の郵便局と電信局が合併され郵便電信局となりました。札幌電話交換局の建物は、明治三十一(一八九八)年に竣工。外壁は厚い石で築かれ、一階と二階では、窓の様式が異なっていて、一階は要かなめ石いしを持つアーチ窓、二階は小庇が設けられています。❖ 犬山市と聞いて、まず思い浮かぶのは、国宝犬山城かもしれません。天守は現存する日本最古の様式。木曽川のほとり、はあとふるレターは500円。またレターセットは100円(2017.6月現在)で販売しており、定形の封書(25g以下)でも送ることができる。郵便局長(担当)の渡邉 保さん札幌電話交換局。外観は堅牢な石造りで、内部に設置された高価な電話交換機を火災から守るために配慮されている。屋根は桟瓦葺きで、二階窓下の胴蛇腹には大きな円形の花紋が連続して刻まれている。博物館明治村、学芸・催事担当の反端一也さん。「メンテナンスは大変ですが、明治時代へとタイムトリップしたかのように実体験できることが明治村の魅力です」明治村の「なごや」駅と「とうきゃう」駅の間を連日走行している陸蒸気(蒸気機関車)。写真の12号は鉄道開業から2年後の明治7(1874)年、イギリスから輸入されたもの。方向転換も当時のまま、手動で行われる。帝国ホテル中央玄関西郷從道邸京都駅近くから移築された派出所脇に設置された自動電話(公衆電話)ボックス(復元)。明治33(1900)年に京橋に設置された六角錐のものが最初とされる。宇治山田郵便局風景印フレーム切手04

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