ZENTOKU 2017年8月夏号
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山口県防府市市長松まつ浦うら 正まさ人とさん1郵便局が地域自治体とともに推進する地方創生。自治体のキーマンに、今後の地方創生施策の行方についてインタビューしました。──防府市の「まち」について教えてください。 防府市は、山口県のほぼ中央部に位置します。瀬戸内海に面しており、古くからの周防の国の国府として栄え、交通の要衡としても発展した歴史のある町です。二〇一五年NHK大河ドラマで描かれた、楫取美和子(吉田松陰の妹)の終焉の地としても知られています。 市内北部は日本三大天神の一つ防府天満宮の門前町として商業が発展。南部は、毛利藩時代から製塩業が盛んでしたが、昭和三十五年の製塩業の廃止を機に塩田跡地に企業誘致を進め、今では大規模自動車組立工場を中心に、輸送用機械器具製造業が集積するなど、県内有数の工業地域として発展を遂げています。──防府市では、地方創生推進にあたって、どのような施策を展開されていますか。 「人・まち元気 誇り高き文化産業都市 防府」をスローガンに掲げています。特にまちづくりとともに子育て支援と高齢者福祉の充実を最重点課題に位置づけ、安心して子育てができる環境づくりを目指しています。出会いの機会づくりを進めるとともに、妊娠・出産から子育てまで、ライフステージに合わせた切れ目のない支援を行っております。 例えば、乳幼児を抱える保護者が、平成10年6月防府市長就任以来、5期再選を果たす。平成27年2月全国市長会まち・ひと・しごと創生対策特別委員会委員長。平成29年6月全国市長会会長(至現在)。多忙な中、山登りやプールで身体を動かしてリフレッシュ。時間が許せば、30分の昼寝も効果大だとのこと。モットーは「憂きことのなほこのうえに 積もれかし限りある身の力ためさん*」。*陽明学者・熊沢蕃山の和歌。 岡山藩主・池田光政に仕えた。リーダーインタビュー防府天満宮。日本で最初に創建された天神様として知られる。菅原道真公の誕生日にあたる8月5日には、約4000発の花火が打ち上げられる。外出中に授乳やおむつ替えができる「赤ちゃんの駅」の整備を促進しているところです。 また、認知症が疑われる方や認知症の方、その家族に対する初期支援を集中的に行い、自立生活を支援しています。認知症の方やその家族の情報交換や地域の方々との交流の場である認知症カフェを拡充しています。 加えて、防災への取組みとして、公共建物の耐震化を進めています。市民の皆さまへの安心の拠点となるものです。市役所庁舎も昭和二十九年に建設されており、喫緊の課題となっています。──郵便局との協力体制には、どのようなものがありますか? また、今後どのような展開を考えていらっしゃいますか? 現在、主に高齢者を対象とした、ハガキによる振り込め詐欺防止キャンペーンを推進しており、郵便ポストを利用した認知症の方々の早期発見等、思いつきも含め郵政関係の方々に申し上げておりますが、地方創生が叫ばれている今がチャンスだと思います。地域の個性や抱えている問題は均一ではありません。画一的な施策では、本当の地域活性化には結びつきません。地域をよく知る郵便局と積極的に協力し、郵便局を地方創生の核と位置づけて、施策を推進していきたいと思います。19

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