全特 2017年4月春号
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押し出す工夫押し出す工夫 片づけで一番つまずくのが「たまっていくばかりのモノ」の減量化。 書類、食器類、衣類…。これらは1つで足りず、「類」が付くモノたちは、うっかりするとその繁殖力はすごいですよね。重複してたまっているものを、バッサリと断捨離できたら良いけれど、いつか参考にするかも? の仕事の書類や、痩せたら着るかもの? の服、暇ができたら読むかも? の本はそう簡単に始末ができません。 モノの処分には、押し出す工夫が大事です。その工夫について考えてみましょう。 食品のように賞味期限があればいいのにと思うでしょう。でも賞味期限が決められないモノには、自分がそのルールを作らなければなりません。 仕事の書類や資料には、伝票のように経理上の保管期限が決まっているものと、そうでないものがあります。書類のファリイングには、作成したときに保管の期限、保管の理由をはっきりさせておく必要があります。会議で配られた資料は、オリジナルを作成者が保管しているなら自分には保管の必要ない、プロジェクトの結果がでれば、途中の資料は要らないなどファイリングのルールを作ります。とりあえずとっておこう、いつか参考にしようという目的のない書類ほど保管の意味をなさないものはありません。 いつか…の書類は、使用の目的をもって分類されていないので当然、必要な時にも探しだせません。 写真も同じです。データが増えすぎて困っていませんか? プリント写真の整理には、アルバム作成の目的とテーマをはっきりとさせます。だらだらと時系列に貼るのではなく、成長記録、旅の思い出、料理レシピとその写真、家族のイベントメモリー、イヤーブックなどテーマをはっきりさせてから写真の構成とページ数を決めてから整理します。データの画像は、撮影したらその時に分類とバックアップをお勧めします。 モノを戻すときのルールにも、モノの処分に有効な方法があります。 食器や、衣類、聴いたCD、読んだ本など類のモノを使ったら一番上に、一番左に、一番手前に戻す。 パソコン内のデータのように使ったものが自動的にソート(並び替え)されていけば、動かなかった奥のモノ、下のモノ、右のモノが、長い事使わなかったモノと明確になります。ここの見直しからはじめれば、使用頻度から不要なものが明確になりますね。 食品保管も賞味期限があれば安心というわけではありません。食品ロスを防ぐためには、今使いかけの食材と、未開封のストックを別の場所に管理しておきましょう。缶に入った使いかけのコーヒー豆と未開封のコーヒーの袋を一緒の場所に保管するのではなく、買い置き食材だけを集めれば、使いかけの豆の量は確認しなくとも、ストックヤードを確認すれば、買い物リストが作れます。日用品のストックも同じです。消えモノとよばれるものの管理は、未使用のストック管理こそが大事です。 保管の目的や、使用頻度、ストックの管理を考えながら断捨離をしてみてください。プロフィール 夫の転勤に伴い、インドネシア・ジャカルタ、インド・ムンバイ、ニューデリー、メキシコ・モンテレイ、メキシコシティと引っ越し経験25回。さまざまな住まい方の住宅に暮らし整理収納の大切さを体感。主宰のお片づけコーチングStudio HAGAでは快適な暮らしの工夫や整理収納術を提案。家庭訪問型お片づけコーチングでは、700軒の家庭の収納問題を解決。大手総合商社で海外生活アドバイザー研修講師、ハウスキーピング協会整理収納アドバイザー1級認定講師。著書には、「収納のきほん おさらい帖」(小学館)、「子育てママのお片づけコーチング」(PHP出版)など多数。お片づけコーチングStudio HAGAhttp://www.okataduke.net/418

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