全特 2017年4月春号
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 徳島県吉野川市の美郷地区は四国きっての梅の産地で、二〇〇八年七月に全国で初めて「梅酒特区」の認定を受けました。   美郷地区は中山間地域で昼夜、季節の寒暖差が大きく、生産者の方のお話では「温度差の少ない平坦な土地で育った梅よりも個性が出やすい」とのことで、その個性がそのまま梅酒の芳醇な個性となっています。 毎年十一月には「美郷梅酒まつり」が開催されます。各酒蔵を巡って蔵ごとの個性豊かな梅酒が堪能できます。特産品のおつまみなどがふるまわれたり、バーベキューやそば打ち体験等のイベントも行われています。 是非一度お越しになってみてください。779‒3406徳島県久ひさ宗むね局長滑なめ田だ 誠せい二じ美郷の梅酒より現在の吉野川市美郷となっていますが、合併前は麻植郡美郷村といい、四国山地の山稜に囲まれた典型的な山村で、昭和三十五年には四八〇七人であった人口も平成二十二年の国勢調査では一一三二人まで減少し、六十五歳以上が五十一%と高齢化が進んでいます。梅の剪定は高齢者には辛く、危険も伴う作業です。私は手伝いを快く買って出ることにしました。 梅は二月に花をつけ、桜よりも早く春の訪れを知らせてくれます。六月になると収穫の時期になり、七月からは梅干しや梅酒づくりを行います。美郷では二月に「梅の花まつり」十一月に「梅酒まつり」を開催します。 剪定作業や収穫のお手伝い、各イベントへ参加することで地域にも認めていただき、地域に根差した郵便局となるよう頑張っています。 美郷は蛍の群生地としても有名で、夏には「ほたるまつり」が行われ、また、にほんの里100選にも選ばれた「高開の石積み」という名所もあります。 その石積みに植えたシバザクラが見事で四月には「シバザクラまつり」、十二月にはライトアップも行われます。 一年を通じてさまざまなイベントが行われていて、約千人が住む過疎地に年間八万人の観光客が訪れている原動力は地域への愛情です。私は他の地域に居住していますが、イベントに参加した際も温かく迎え入れてくださり、恐縮するほど感謝もされます。名前も憶えていただき、むしろ私が地域の皆さまに感謝しています。私も郵便局長として地域の皆さまと同じように地域を愛し、これからも地域に貢献していきます。川面を飛び交うホタル。5月下旬から6月下旬ごろまで見ることができる。酒蔵自慢の梅酒が勢揃い4月のシバザクラまつりには、高開(たかがい)を登りながら、シバザクラを楽しむ観光客で賑わう。高台から眺めると、濃淡ピンクのシバザクラが美しい。11月には梅酒まつりが開催され、高開がライトアップされる。11

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