全特 2017年2月特別号
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 私が取り組んだのは、地域特産品のカタログ販売です。 二〇一三年三月、熊本県は「くまもと県南フードバレー構想」を策定し、「くまもと県南フードバレー推進協議会」が発足しました。この構想は、熊本県・県南地域(八代地域、水俣・芦北地域、人吉・球磨地域)の豊富な農林水産物を活かし、食関連の研究開発機能や企業を集積させる“フードバレー”を形成することにより県南地域の活性化を目指していくというものです。 郵便局は物流と決済を併せ持った地域の拠点です。フードバレーの商品を熊本から都市圏に発信する役割を担いたいと、日本郵便本社の社内ベンチャーに熊本県南部地区会、山江局(下球磨部会)局長、坂本局(八代南部会)局長と合同で企画を提出し採用されました。二〇一五年五月十日から八月十日まで実施、九州全域だけでなく大阪府と兵庫県へも展開しました。 題して「九州うまかもんカタログ“くまモンバージョン”」。カタログは二十万部を印刷し、ゆうパックの売上総数は六千個近い成果を上げました。この時カタログに掲載したのは、県南地域の十三業者十五品目に過ぎません。まだまだある、ここの地域にしかない隠渡わた邊なべ 崇たか宏ひろれた特産品を、郵便局を通じてもっと全国に知っていただきたいと思います。ただ、展開エリアが広域で配分金の問題等いくつか解決しなければならない問題点もあり、現在は打ち切りとなっており、新たな打開策を模索しているところです。 これとは別に私が局長をしている中松局では、地元の「ソバ」のゆうパックを取り扱っています。阿蘇山を囲むカルデラ地帯にあり、周辺ではソバ栽培が盛んです。九州はどちらかと言えば、うどんやそうめんの方が主流だと思いますが、石臼で挽いたソバ粉で打った麺は香りがよく、粗めの鰹節でとったつゆとのバランスもいいと評判です。例年熊本県内の郵便局でチラシを置いていただいているのですが、二〇一六年の熊本地震をきっかけに、九州全域に拡大しました。約四〇〇年ぶりという巨大地震によって、中松局を含め熊本県内の二十の郵便局が一時閉鎖され、震災直後、局長たちは皆地震対応のボランティア活動に奔走していました。この交流が九州全域への拡大へと繋がったのです。 現在も余震と見られる地震活動は続いており、日々地域の「安心・安全」を守ることの大切さを感じています。他県からいらしていただ被災地の産品を関西で販売869–1505熊本県 中なか松まつ局長地域貢献・地方創生❺ 熊本県南阿蘇村18

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