全特 2016年10月秋号
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げるのか? という実践的な訓練は行われることがほとんどないからです。どの地域でも避難訓練は、学校や公民館など、公の場に集まって行われるのではないでしょうか? 南西沖地震は夜の十時十七分に発生しました。ほとんどの方はご自宅にいらしたと思います。推定震度は6。パニック状態ですから、どこの道を行けば、最短で高台に行けるのか、判断が難しいところです。訓練で通った道が正解ではないのです。いつ地震が起こっても、自分のいる場所から安全な場所へ行く最短の道を選べる判断力があれば、被害を少なくできます。 また、現在は年一回、秋に避難訓練が行われていますが、雪深い季節に地震が起こらないとも限りません。大きな地震を経験した防災士として、地域の特色に応じた取組みを、地域全体の防災・減災に繋げられるように提案していきたいと思っています。は奥尻島の出身です。一九九三年の北海道南西沖地震を体験しました。南西沖地震は、頑張ってます! 防災士043―0231北海道豊とよはま浜局長池いけ島じま 清せい治じ震源地が島の近くであったために、地震発生から数分で津波が襲来しました。海岸近くの地域や島で暮らす人びとは「地震が起きたら、高台に逃げる」という原則が身に付いています。しかしながら、津波の到達があまりに早く、甚大な被害を出しました。実際に経験してみると、津波の恐ろしさは言うに及ばず、想定外の現象がいろいろと発生します。当時は地域のリーダーの方々に言われるまま、役割分担された仕事をこなしていました。 この経験が地元の方々との交流を通じて知られるところとなり、昨年から、小学校の防災訓練の際に、講話をすることとなりました。まず、「自助」の力をつけてもらうことが大事です。「高台に逃げる」という意識は持っていても、どのルートから逃私自助の力をつける手助けを見ることで判断力を培う子どもたちの意見を聞きながら「自助」力をつけてもらう小学校での講話の様子11

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